「生ビール」と「ビール」の違い

「生ビール」と「ビール」の違い
よく「生ビール」という言葉をCMなどで耳にしますが、普通の「ビール」とどのように違うのでしょうか?恐らく多くの方がこの言葉に疑問を持った事があるはずです。「生ビール」と「ビール」の違いについて迫ってみましょう。

まず、ビールというのは大麦の麦芽を酵母の力によってアルコール発酵させることで作ります。この酵母は生きたままビールの中に放置していると、ビールの糖分と結びつき、アルコールと炭酸ガスに変化していきます。

そして、ビールの中の糖分がなくなってしまうと、発酵が止まり酵母が死んでかすとなってビールに残ってしまうのです。そのため、冷蔵技術が発達するまではビールを瞬間加熱殺菌してビールの品質を安定させていたのです。

冷蔵技術が発達すると、加熱殺菌処理の代わりに2回ほどろ過処理を行い、酵母を取り除くようになりました。このため、加熱される前のビールの味わいを保って発売する事が可能となったのです。

このようなろ過技術をはじめて使用したビールが誕生したのは、1967年で、NASAが開発したプラスチックとセラミック製の膜をつけた精密ろ過装置「ミクロフィルター」を使用して、無菌室で滅菌容器に詰めて生産されていました。

翌年には他メーカーから酵母菌の除去を行わない生ビールが誕生しました。冷蔵保存が必須で、賞味期限も2週間と非常に短いものでした。この頃までは「熱処理をぜず、酵母菌の入ったものが生ビール」が一般的な認識でしたが、「熱処理をしないビールはすべて生ビール」と主張するメーカーも現れ、「生ビール論争」が勃発しました。

現代の日本において「生ビール」とは「熱処理をしないビール」という意味ですが、本来の意味としては、熱処理に関わらず、樽に詰められた出来立てのビールをビールサーバーから注ぐというのが本当の意味となっています。

冷蔵技術が無かった頃は加熱殺菌を行う必要がありましたが、技術の発達でビール本来のうまみを逃がすことなく飲めるようになったのは大変ありがたい事ですね。