「ツナ」と「シーチキン」の違い

「ツナ」と「シーチキン」の違い
マグロやカツオをサラダ油などに漬けて缶詰にした「ツナ」缶は日本だけでなく、世界でも一般的な缶詰となっています。日本では、はごろもフーズの「シーチキン」がより一般的なツナ缶として常備されていることも多いのではないでしょうか。

「ツナ」というのは、スズキ目サバ科マグロ族に分類される魚の総称で、簡単に言えばマグロのことを指します。近年では価格の高騰もあり、安価なカツオを使用したツナ缶も出回るようになりました。

日本でツナ缶が誕生した経緯としては、日露戦争の時代から日本各地の水産試験場で研究が行われてきたのですが、実際に製品化に成功したのは、1928年に静岡県の水産試験場が外貨獲得と雇用創出を目的として、ビンナガマグロの油漬け缶を開発したことが始まりとされています。その後、1930年には清水食品が製品化して輸出すると、アメリカで大ヒットとなりました。

清水食品の成功を受け、1931年には、はごろもフーズの前身である後藤缶詰もツナ缶の製造を開始しました。後藤缶詰はツナ缶の供給先を輸出ではなく、国内向けに転向させたことで「シーチキン」の商品名をツナ缶の代名詞として広めることに成功しました。

1950年代になると、国内でも普及するようになりましたが、当時はまだ流通網や冷凍技術が確立されておらず、こうした缶詰は高級品として扱われていました。

その後、低価格化が進み、ツナ缶は一般的な缶詰となりました。現在では、はごろもフーズだけでなく、缶詰メーカー各社が個性的なツナ缶を発売しています。

2011年にはいなば食品が「ツナとタイカレー」シリーズを発売し、大ヒット商品となりました。ツナ缶の生産拠点がタイにあるため、タイの食材が安価に手に入ることで安価で品質の高い缶詰が生産できたことがヒットの理由です。

日本においては非常に長い歴史を持つ「ツナ」ですが、その中でも「シーチキン」が日本のツナ缶および缶詰業界に与えた影響は計り知れないものと言えるでしょう。